マチカネフクキタルを偲ぶin旧小須田牧場【生誕祭2023】

山梨県北杜市高根町清里。
マチカネフクキタルは競走馬・種牡馬生活を引退してから、過ごしやすい気候と豊かな自然に囲まれたこの地で余生を送りました。

彼の足跡が残る施設の名前は小須田牧場。現在はホースブリッジに改名し、競走馬事業に力を入れた療養施設・観光スポットとして人気を博しています。

今回はマチカネフクキタルの誕生日を記念して、ホースブリッジさんの現地レポートと共に彼との思い出を綴りたいと思います。

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ホースブリッジ(旧小須田牧場)とは

元々は観光乗馬牧場として経営されていた小須田牧場さん。乗馬が出来るだけでなくレストランや宿泊施設も併設されており、牧場という特別な空間で長閑な時間を過ごすことが出来ます。マチカネフクキタルはこの牧場で穏やかな余生を送りました。

現役時代はヤンチャだった彼も、引退してからはすっかり穏やかで優しいお馬さんに。時には甲府の駅前に出向いて地域の方と触れ合うなどのイベントも行っていたそうです。

なお、2020年に牧場のオーナーが亡くなったことをきっかけに競走馬事業が軸となり、牧場の方針や施設環境に変更がなされました。
現在は「現役競走馬の休養」「乗用馬への再調教」がメインとなり、一般の方向けの乗馬体験は廃止となっています。しかし、施設内の見学は引き続き可能になっているため、牧場で暮らしているお馬さんへにんじんをあげたり、休養中の現役競走馬を見学したり、飲食施設を利用したりすることが出来ます。

参考 競走馬に「次の舞台」を ホースブリッジ社長 小須田牧さん(39)産経新聞

参考 競走馬のための「高原リゾート」…50頭以上を収容可能な施設、山梨に完成読売新聞

ホースブリッジさんへの行き方

遠方から清里へ向かう場合は、基本的に小淵沢駅を経由する必要があるため「JR中央本線」を利用するケースが多いと思います。

今回は新宿から特急あずさ号へ乗って小淵沢へ向かい、そこからJR小海線に乗り換えて清里まで向かいます。

牧場へ訪れる際の注意点は2つ。
1つ目は、放牧されているお馬さんに会いたい場合、午前~正午のうちに到着するよう計画を立てるのが無難であること。牧場の中心に大きな放牧地があるのですが、お馬さんたちは基本的に日が傾く頃にはお家に帰ってしまうので、正午までに着けるようにするのがおすすめです。

2つ目は、小淵沢~清里間のJR小梅線は1時間に1本ないし2本しか走っていないこと。事前に行き帰りの乗降車時間をチェックしておかないと、旅がぐだり気味になります(体験談)。

ホースブリッジさんへの道のり

清里駅を降りて正面の道を真っ直ぐ下っていくと、20~30分ほどで到着します(一応バスもありますが本数が少ないため基本徒歩)。

目的地まではほぼ一本道なので意外と行きやすい。
徒歩30分と聞くと結構大変だと思われるかもしれませんが、清里の空気と景色を味わいながらお散歩する感覚で向かえば何のことはなし。
交通アクセスを考えると車で行った方が色々と便利なのですが、自分は清里駅からの散歩道も結構好きです。

大きな馬の像が目印です。そういえばこの像もフルカラーにリニューアルされました。フクキタル像建ててくれないかなあ(願望)。

2020年以前のサラブレッド像。こう見るとフルカラーになっただけじゃないような……?

フクキタルが放牧されていた広場

こちらが、フクキタルが主に過ごしていた広場です。現在は他のお馬さんたちが放牧されています……あれ、1頭もいない。不思議に思いながら歩き回っていると、張り紙を発見。

がーん。今日はおやすみとのこと。普段であればここで人参をあげることができます。

放牧されている時はこんな感じ。みんな人懐こくて可愛い子たちです。

フクキタルとの思い出

ここに来ると偲ばれるのはやはりフクキタルとの思い出。
自分の知っているフクキタルは、サービス精神旺盛な優しいお馬さん。お客さんが来ると近くに寄ってきてくれるのが印象的でした。当時はおやつにんじんの販売がなかったことや、乗馬目的のお客さんがメインだったことを考えると、(人参目的ではなく)ファンサービスを率先する優しさを持っていたんだなと感じます。

例えば自分が初めてフクキタルにお会いした時。彼は既にお部屋に帰っていて寝ぼけ眼だったのですが、厩舎を覗くと起き上がって柵の前まで来てくれました。ひとしきりお話しして別れようとすると、持ち場に戻って眠りにつきました。

でも、マイペースで不思議な雰囲気を纏っている印象もあります。全て達観したような、無我の境地に入る時もしばしば。そうなれば面前に誰がいようと、近くで爆音がしようと微動だにしません。

そして、無類の食いしん坊という印象もあります。あんなにのほほんとしているのに、人参が視界に入った途端猛りだします。自分は一度、食べやすいように人参を切ってからあげようとしたことがあるのですが、切っている最中に「早くそれを渡せ」と暴れ出さん勢いだったので、諦めて丸ごと差し出したことがあります。
他の牧場でも沢山の子に人参をあげてきましたが、フクキタルと比べると食べ方が上品というか……ねだりはするんですけど「パクパク」という感じで食べてくれます。フクキタルはどちらかと言うと「ガツガツ」という感じ。それもまた可愛かった。

あの頃には無かった施設もたくさん

事業内容が変わったこともあり、牧場内の施設にもちらほらと変化が。まずは現役競走馬の受け入れ厩舎(休養)拡大。規模も大きくなり、分かりやすく開けた場所へ設置されています。窓のところから顔を覗かせる馬の様子を見学することが出来ます。自販機があるのも地味に嬉しい。

また、去年の7月から「紡麦(つむぎ)」というパン屋さんも敷地内にオープンしました。北杜市産の全粒粉を使用しているのが特徴で、パンを買いに牧場へ訪れる人もしばしば。イートインスペースもあり、気持ちの良いテラス席で食事することも出来ます。


ちなみに飲食施設といえば……牧場内にある「カントリーキッチン ロビン」というレストランもおすすめです。
カントリー調の雰囲気あるログハウスでハンバーグやステーキ、ピザなどが楽しめます。清里ならではの高原野菜も抜群に美味しいです。

店内
ハンバーグ

後は、柵も塗り直して綺麗になっていますね。おそらく高さは以前と変わっていませんが、若干丈夫そうに見えます。

そういえば、フクキタルの知名度が少し高まった頃、小須田牧場の柵の低さが一部で話題になりましたね。自分は「言われてみればめっちゃ低い!」と目から鱗でした。当時は気付かなかったし、全く気にならなかったというのが正直なところです。
というのも、小須田牧場の弛緩した空気の中で、穏やかな雰囲気のフクキタルを目の前にすると「柵を飛び越える」なんて発想自体が出てこないんです。それくらい、自分にとっては平和を具現化したような場所。その瞬間、世界で一番安全で穏やかな場所に思えました。

ぜひ北杜市とホースブリッジさんへ

マチカネフクキタルファンの方もそうでない方も、ぜひ一度ホースブリッジさんに足を運ばれてみてください。
夏の避暑地としても有名な清里の気候と自然に触れ、可愛いお馬さんたちに癒やされ、北杜市の美味しいものを食べて、最高のリフレッシュになること請け合いです。

そして何より、マチカネフクキタルの足跡に触れることが出来ます。

彼が余生を過ごした清里の空気を、ぜひ感じてみてください。

お誕生日おめでとうございます

最後になりますが、マチカネフクキタル号、お誕生日おめでとうございます!存命であれば29歳ですね。
今年もあなたの誕生日を祝えたこと、嬉しく思います。

また、7月31日にはお花を供えに行かせていただきます。
それでは。今年も、お元気で。

【牧場名】株式会社ホースブリッジ(旧小須田牧場)
【住所】〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-4615
【電話番号】090-2672-1177(会社代表携帯)
【アクセス】
車:中央自動車道 須玉ICから国道141号線を北へ18km(30分)
電車:JR東日本 小海線 清里駅から徒歩30分
【公式ホームページ】https://horse-bridge.jp/

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