2020年7月31日、マチカネフクキタル号が亡くなったとの訃報が届きました。
まずは、関係者様にお悔やみ申し上げるとともに、マチカネフクキタル号のご冥福をお祈りいたします。
フクキタルは今年で26歳。
種牡馬を引退してからは、山梨県の清里で余生を送っていました。
競走馬の中では、こんな余生を送れるのは本当にごくわずか。
牧場の方は、『最後は眠るように亡くなった』と仰っていたので、穏やかな老衰だったのだと思います。
これは、競走馬としては幸せな生涯と言っていいのではないでしょうか。
そして自分も、小須田牧場へ訪れる際は「これが最後かもしれない」と思いながら、『大好き』や『ありがとう』を毎回しっかりと伝えてきました。
自分の行動に後悔は全くありません。
フクキタルは幸せな生涯だったと信じてるし、自分も悔いはない。
もちろん理屈では理解しています。
でも
それなら、この涙は一体何なのか。
何で泣いているのか自問するほど、涙は止まらなくなっています。
多分、理屈なんか関係ないんですね。
どれだけ恵まれた生涯でも、自身に後悔が無くても。
悲しいものは悲しい。
自分がこの世で最も敬愛する存在がいなくなってしまった。
この事実が、たまらなく自分の胸を締め付けます。
フクキタルは、どんな身近な大人より生き方を教えてくれました。
どんな偉い人の言葉より、彼の生きざまが、自分に光を与えてくれました。
もちろん、ただ私淑しているだけです。
それでも、あなたがいなかったら今の自分は絶対にない。
これから、少しでもあなたに近づけるように、あなたの教えに恥じない人生を送ろうと思います。
マチカネフクキタルという最幸の馬がいたことを、絶対に忘れず生きていきます。
だから見守っていてくださいなんて、図々しいことは言いません。
ただ……またいつか逢えたら、お話をさせてください。
必ず、逢いに行きますから。
これまでたくさんの福を本当にありがとう。
これからもずっと、ずっと大好きです。
今はただ、安らかにおやすみなさい。
本当に、本当に良く走ったね。お疲れさま。