2020天皇賞(春) 1番人気はなぜ不振なのか?【データ本質考察】

お疲れ様です、賽目です。
いきなりですが、「10年間で1回も1枠が馬券に絡んでいない」というデータを鵜呑みにした結果、普通に1枠の馬が勝って後悔した経験はありませんか?
後で調べてみたら、過去に1枠で走っていたのは2桁人気馬ばかりで「そりゃ来ないよ……」と。

このように、根拠や理屈のないデータはただの偶然であることが多いのです。

なので今回は、天皇賞(春)に関する極端なデータをご紹介すると共に、「なぜそういうデータになっているのか?」と、一歩踏み込んだ本質的な理由を考察していこうと思います。

データを単に鵜呑みにするのではなく、「なぜ」をもとに、信頼できるデータなのか、単なる偶然なのかを一緒に考えていきましょう!

データ① フィエールマンに危険信号?1番人気の成績が(2-1-0-7)

はじめに、「○○人気の馬が飛ぶ!!」という少々オカルトチックなデータをご紹介します。
天皇賞(春)では過去10年の間、1番人気が馬券に絡んだのは3頭だけなのです。

まずは、過去10年で1番人気に支持された馬たちを見ていきましょう。

名前着順/単勝オッズ主な敗因
2019フィエールマン1着/2.8倍
2018シュヴァルグラン2着/3.0倍
2017キタサンブラック1着/2.2倍
2016ゴールドアクター12着/3.8倍長距離適正が足りなかった
2015キズナ7着/3.3倍長距離適正が足りなかった
2014キズナ4着/1.7倍長距離適正が足りなかった
2013ゴールドシップ5着/1.3倍アクシデント(出遅れ)
2012オルフェーヴル11着/1.3倍高速馬場で控えすぎ(騎乗ミス)
2011トゥザグローリー13着/3.1倍長距離適正の不足+騎乗ミス
2010フォゲッタブル6着/2.6倍アクシデント(出遅れ)

人気通りに好走したのは2019年のフィエールマン、2018年のシュヴァルグラン、2017年のキタサンブラックの3頭。
近年は好走傾向にありますが、10年間でみると単勝オッズ1倍台の馬が3回も飛んでいますね。

では、そもそもなぜ彼らが1番人気に推されたのかを考えていきましょう。
敗因として「長距離適正が足りなかった」と考えられる馬たちの、主な支持理由は以下の通りです。

2011年 トゥザグローリー
有馬記念3着、京都記念1着、日経賞1着と実力十分
2014年 キズナ
ダービー馬。前哨戦の大阪杯も勝利
2015年 キズナ
同じくダービー馬としての地力が評価された
2016年 ゴールドアクター
アルゼンチン共和国杯、有馬記念、日経賞を三連勝と隙無し

以上から考えられるのは「全て2500m以下の実績が評価されている」ということ。

つまり、1番人気で飛んでいる多くの馬は「長距離適正があるかは分からないけど、この実績なら大丈夫だろう」で人気になった馬たちなのです。
それもそのはず。3000m以上の長距離レースは年間でも数えるほどしかありませんから。

なので、馬券外に飛んでいる人気馬の一つ目の特徴は「長距離適正が不明なのに人気になっている」と解釈出来ます。

そしてもうひとつの凡走パターンとしては、レース中のアクシデントがあります。出遅れや騎乗ミスですね。
これはもはや仕方ありませんが、アクシデントのあった馬達のレースから読み取れるのは「極端に位置を下げると届かない」ということ。

時間に余裕のある方はぜひ、2012年の天皇賞(春)をご確認ください。
高速馬場に加えて先行馬に有利なコース形態により、あのオルフェーヴルと言えども下げ過ぎて届かない結果になっています。

つまり、1番人気が敗北するパターンとしては「2500m以下の実績だけで評価されている」か「極端に後ろに下げる競馬をしている」の2パターンがある、と結論付けられそうです。

【データの本質】2500m以下の実績馬と追い込み馬が負けている!!

今年の想定1番人気であるフィエールマンは、「菊花賞」と「天皇賞(春)」の長距離G1を既に制しており、中団前目の脚質なので「1番人気が勝てない呪いには掛からない」と自信を持って推せます!!
出遅れ等が無ければ、ですが……

今回の結論は、1番人気以外の馬でも通用する考え方だと思います。
ご納得頂けた方は、ぜひ活用してみてください!

データ② ユーキャンスマイル笑えず……京都重賞で連対経験がないと好走出来ない?

続いては、過去5年で馬券に絡んだ馬たちの京都実績をご覧ください。

2019年 天皇賞(春)
1 フィエールマン菊花賞1着
2 グローリーヴェイズ日経新春杯1着 きさらぎ賞2着
3 パフォーマプロミス日経新春杯1着
2018年 天皇賞(春)
1 レインボーライン菊花賞2着
2 シュヴァルグラン京都大賞典3着 天皇賞(春)2着 天皇賞(春)3着 日経新春杯2着
3 クリンチャー天皇賞(春)3着 京都記念1着 菊花賞2着
2017年 天皇賞(春)
1 キタサンブラック京都大賞典1着 天皇賞(春)1着 菊花賞1着
2 シュヴァルグラン京都大賞典3着 天皇賞(春)3着 日経新春杯2着
3 サトノダイヤモンド菊花賞1着 きさらぎ賞1着
2016年 天皇賞(春)
1 キタサンブラック菊花賞1着
2 カレンミロティック京都大賞典3着 天皇賞(春)3着
3 シュヴァルグラン日経新春杯2着
2015年 天皇賞(春)
1 ゴールドシップ菊花賞1着
2 フェイムゲーム無し(主な戦績:ダイヤモンドS1着×2)
3 カレンミロティック無し(主な戦績:宝塚記念2着)

過去5年で馬券に絡んだ15頭中、12頭が過去に京都G2以上で連対経験があります。

これは、京都競馬場の独特なコース形態が影響していると考えられます。

引用:京都競馬場コース紹介 | JRA

京都競馬場の特徴は、何といっても向こう正面から続く長い坂道
向こう正面から坂を上り、3コーナーからは下り坂になっています。
そして最後の直線は平坦になっているため、先行馬たちの勢いが衰えずに押し切りやすいのが京都の特性です。

つまり、東京のスローペースから長い直線で末脚を発揮するタイプや、中山の急坂を苦にしないパワーを活かしているタイプが、必ずしも通用しないのです。

大切なのは、先行できる「スピードの持続能力」と、3000m以上の長丁場を走れる「スタミナ」。
京都での好走実績は、前者の根拠となりえるため、非常に強力なファクターであると結論付けます。
その重賞で先行していないとしても、京都の坂を上手く活かせている根拠にもなるので、覚えておいて損はないはずです(`・ω・)b

【データの本質】京都の好走実績は、スピード持続力と坂の適応力に長けている証拠!!

ちなみに、今回京都重賞で連対経験があるのは5頭です。
1 エタリオウ(菊花賞2着)
2 キセキ(菊花賞1着)
3 モズベッロ(日経新春杯1着)
4 ダンビュライト(京都大賞典2着 京都記念1着)
5 フィエールマン(菊花賞1着 天皇賞春1着)

特にモズベッロとダンビュライトはオッズ的にも妙味がありそうなので、積極的に狙いたいですね(`✧ω✧)
とりあえずこの5頭のboxは買っておこうかな……

なお、3着経験までに広げるともう2頭該当します。
1 シルヴァンシャー(京都大賞典3着)
2 ユーキャンスマイル(菊花賞3着)

さあ、あなたはこの京都実績をどう捉えますか?

データ③ 父はディープかサンデー系から!キセキは馬券に絡めない?

最後に、血統のデータをご紹介します。
実は、過去5年で馬券に絡んでいる馬のお父さんは、ディープインパクトTサンデー系Lサンデー系のいずれかと極端な偏りがあります。特にハーツクライ(Tサンデー系)、ステイゴールド(Tサンデー系)は激走しています。
ディープインパクトもサンデー系なので、天皇賞(春)はSS天国ですね。

とはいえ極端な話、出走馬が全頭サンデーの血を引いていれば、この結果は必然です。まずは、過去5年の種牡馬別出走頭数を確認しましょう。

種牡馬出走頭数勝利数複勝圏内数
ハーツクライ(Tサンデー系)16頭0頭6頭
ディープインパクト(ディープ系)13頭1頭3頭
キングカメハメハ(キングマンボ系)9頭0頭0頭
ステイゴールド(Tサンデー系)7頭2頭3頭
アドマイヤドン(ミスプロ系)6頭0頭0頭
ディープスカイ(Pサンデー系)3頭0頭1頭
マンハッタンカフェ(Tサンデー系)2頭0頭0頭
ナカヤマフェスタ(Tサンデー系)2頭0頭0頭
ハービンジャー(ダンチヒ系)2頭0頭0頭
シンボリクリスエス(ロベルト系)2頭0頭0頭
ブラックタイド(Lサンデー系)2頭2頭2頭
スクリーンヒーロー(ロベルト系)2頭0頭0頭
ゼンノロブロイ(Tサンデー系)2頭0頭0頭
ネオユニヴァース(Dサンデー系)2頭0頭0頭
フジキセキ(Pサンデー系)2頭0頭0頭
スウェプトオーヴァーボード(フォーティナイナー系)1頭0頭0頭
ダンスインザダーク(Tサンデー系)1頭0頭0頭
ダイワメジャー(Pサンデー系)1頭0頭0頭
タイキシャトル(ヘイロー系)1頭0頭0頭
キングヘイロー(リファール系)1頭0頭0頭
メイショウサムソン(サドラーズウェルズ系)1頭0頭0頭
ゴールドアリュール(Dサンデー系)1頭0頭0頭
マーベラスサンデー(Tサンデー系)1頭0頭0頭
スペシャルウィーク(Tサンデー系)1頭0頭0頭
オペラハウス(サドラーズウェルズ系)1頭0頭0頭
サンデー系(ディープ含む)56頭5頭15頭
サンデー系以外26頭0頭0頭

ディープインパクトを含めるサンデー系は、5年間で56頭、非サンデー系は26頭出走しています。
数ではサンデー系が圧倒していますので、確かに偏りがあってもおかしくはないですね。

それにしても、非サンデー系が1頭も馬券に絡まないのは少し不自然。
では、5番人気以内に推されていた非サンデー系はどれだけいたのかを調べてみました。

2015 アドマイヤデウス 3番人気 15着
父 アドマイヤドン

2016 ゴールドアクター 1番人気 12着
父 スクリーンヒーロー

2017 ゴールドアクター 5番人気 7着
父 スクリーンヒーロー

2019 ユーキャンスマイル 3番人気 5着
父 キングカメハメハ

いかがでしょうか。実は、過去5年間で5番人気以内に推された非サンデー系は、たったの4頭しかいないんです(25頭中の4頭)。
つまり、過去の非サンデー系の馬たちは、血統関係無しに力不足であった可能性は否めません。

では、激走しているハーツクライとステイゴールド産駒の大まかな特徴を確認してみましょう。

ハーツクライ産駒
スタミナとパワー、中距離的なストライドが特徴。
また、ディープと同じく東京の2000~2400mで活躍するスピードを持ちながら、2500m以上のコースではディープ以上の安定感がある。
距離延長や距離短縮が自在に効く、芯の強さを持っている。
ステイゴールド産駒
中山を筆頭に、パワーやタフさを必要とするコースが得意。
タフな性格から格上挑戦に強く、大舞台の速い流れでこそ力を発揮するため、なぜかG1でだけ好走する馬もいる。
基礎的なスピード持続力と他馬に勝るタフさを兼ね備えている。

この2頭に共通して言えるのは、「スタミナ」「パワー」「スピードの持続力」をバランス良く兼ね備えている、ということ。
先ほどのデータ②にも通じる事ですが、京都3200mで要求される能力は、やはりこの3要素であると解釈出来ます。

ですから、たとえ欧州系の血統でもこの3要素を兼ね備えている馬ならば、好走の可能性は大いにあると考えています。

【データの本質】「スタミナ」「パワー」「スピードの持続力」の3要素が重要!

ちなみに、今回Tサンデー系の産駒に該当するのは6頭です。
1 エタリオウ(父 ステイゴールド)
2 オセアグレイト(父 オルフェーヴル)
3 スティッフェリオ(父 ステイゴールド)
4 タイセイトレイル(父 ハーツクライ)
5 メロディーレーン(父 オルフェーヴル)
6 ミライヘノツバサ(父 ドリームジャーニー)

また、ディープ産駒及びディープ系も6頭該当します。
1 シルヴァンシャー(父 ディープインパクト)
2 トーセンカンビーナ(父 ディープインパクト)
3 フィエールマン(父 ディープインパクト)
4 ミッキースワロー(父 トーセンホマレボシ)
5 メイショウテンゲン(父 ディープインパクト)
6 モズベッロ(父 ディープブリランテ)

計12頭……全然絞れてないじゃないか!( ˙꒳​˙ )
今年も例年通り、出走頭数自体が多いようですね。

だからこそ、血統だけに惑わされずその馬が本当に3要素を満たしているかを考える必要があります。

血統はあくまで、「未知の可能性を予測するツール」です。
既にその馬が証明しているパフォーマンスは、たとえ血統に反していても受け入れて、1頭1頭と向き合うことが大切だと思っています。

……なかなか難しいことですけどね(;・ω・)

データ&考察まとめ

データ① 過去10年で、1番人気の成績が【2-1-0-7】
考察① 2500m以下の戦績で評価されている馬と、極端に後ろに下げる馬が多い!
データ② 過去5年で、馬券に絡んだ15頭中12頭には京都G2以上で連対経験がある
考察② 京都重賞での好走は、スピードの持続力、独特な京都コースの対応力への裏付けになる!
データ③ 過去5年で、馬券に絡んだ15頭中15頭がディープ、またはサンデー系の産駒
考察③ 「スピードの持続力」「タフさ」「パワー」のバランスが重要! 特にTサンデー系は最適な種牡馬

いかがでしたでしょうか。今回は、天皇賞(春)における極端な3つのデータについて、少しだけ考察をしてみました。
まだまだ考えが至らない部分も多いので、ぜひみなさんの見解もお聞かせください!

それでは、今週も競馬を楽しみましょう|・ω・)ノ

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