『今日もどこかで馬は生まれる』を観てきました

自分は競馬ファンとして、競走馬に対する感謝と敬意は欠かさずに過ごしてきました。
競馬を楽しみ、夢や感動を享受することが出来るのは、競走馬たちが己の使命を全うしてくれるからです。

しかしその実、「口だけ」の自分にどこか引っかかってもいました。
自分は競馬が大好きで、競走馬への感謝は尽きない。
口ではそう言うけれど、これまで競馬の「裏側」について深くまで調べることは避けていました。

理由は単純。知るのが怖かったからです。
競走馬がどのように生まれ、どのように亡くなっていくのか。
大体は知っているけれど、もっと目を背けたくなる現実がきっとある。

そう考えたら、深くまで探ることは出来ませんでした。

でも、ファンとしていつかは現実と向き合わなくてはいけない。
少なくとも、「競馬が大好き」だと自称するなら……

そう思っていた時。
自分は、ある映画の存在を教えて頂きました。

公式HP

引用:「今日もどこかで馬は生まれる」公式ホームページ

その映画のタイトルは「今日もどこかで馬は生まれる」。
競走馬の“その後”……つまり引退後にスポットを当てたドキュメンタリー映画です。

「学ぶなら今しかない」
そう思った僕は、会場へ足を運ぶ決意をしました。

K’s cinema新宿へ

現在(2020/1/13)映画が上映されているのは、新宿にある「K’s cinema」のみ。
これまでは地方競馬場などで上映会を行っていたそうですが、映画館での上映はこれが初めてです。

K’s cinemaには、JR新宿駅の東口を出てから約4分で到着しました。

K's cinema

上映期間は2019年12月28日(土)~2020年1月17日(金)まで。
今後どこで上映するのかはまだ未定ですので、興味のある方はぜびお早めに足を運んでみてください。

ちなみに、連日満員御礼だそうです。
K’s cinemaの開場は朝10時ですが、自分が行った時も10時前からお客さんがたくさん並んでいました。
チケットの売り切れもあるかもしれないので、なるべく10時前には到着することをオススメします。

上映期間……2019年12月28日(土)~2020年1月17日(金)
上映時間……10:30~(1日1回のみ)
上映場所……K’s cinema新宿 3F
K’s cinemaへのアクセスはこちらから
公式HPはこちらから

映画を通じて感じたこと

経済動物としての使命

競走馬は、「経済動物」です。
人間の都合で生産され、育てられ、時に殺されます。

当然、中には走りたくない馬だっています。
それなのに、人間の都合で毎日鍛えられ、走らされる……

これを「可哀想」「虐待だ」と言ってしまうのは簡単です。
しかし、日本において莫大な経済効果を産む競馬産業は、簡単に廃止されるはずもありません。

そして何より、僕たち競馬ファンは競馬の素晴らしさを知っています。
だとすれば、僕は競走馬に対して「可哀想」だという感情で済ますのではなく、「どうすればより幸せになれるか」を考えることにしました。

この映画も、競馬産業の実態を伝えてはいましたが、「競馬は悪」「廃止するべきだ」という主張では全く無かったように僕は思います。
むしろ競馬の存在を前提とした上で、1人1人に競馬との関わり方を考えてほしい。そんな内容だったと感じました。

各関係者、それぞれの想い

この映画において、個人的に1番の見所だと思うのは、「各関係者の想い」です。

馬主、生産者、調教師、牧場経営者……やり方は違えど、全ての方がそれぞれの想いで「馬を少しでも幸せに出来る方法」を模索していました。
印象に残ったものの1つに、コスモビューファームの岡田さんの言葉があります。

「幼いうちから馬に強い負荷をかけるのは可哀想だと言う人がいる」
「でも本当に可哀想なのは、怪我や消耗などで競走馬としての寿命が短くなること」

若いうちからの厳しい調教は、一見可哀想に見えるかもしれません。
しかしそれは、「1戦でも長く走れるように丈夫に育てる」ことを信条とし、競走馬が生き残れる可能性を少しでも上げるための方法だったのです。

そもそも、「可哀想」を突き詰めてしまえば、競馬の存在そのものに行き当たります。
綺麗ごとは抜きで競馬の実態を踏まえたうえで、岡田さんなりの「競走馬を幸せにする方法」を確立しているように思えました。

賛否はあると思いますが、プロフェッショナルとしての覚悟を感じる言葉でした。

本当に貴重な映像の数々

自分はこの映画を観るまで、引退馬に対する取り組みの実態をあまり知りませんでした。
恐らくこれは自分だけでなく、ほとんどの競馬ファンも知らないと思います。

どれも熱い想いを持って運営している、素晴らしい取り組みでした。
中には、明らかに利益になっていないケースもありました。

例えば渡辺牧場さんでは、引退後に故障などで人を乗せられなくなった馬たちを預かっています。
生産馬である名馬、ナイスネイチャも暮らしている養老牧場です。

しかし、その預託料と馬を養う費用は、明らかに釣り合っていませんでした。
それでも代表の渡辺さんは、「預ける方(オーナー)も、馬に対して身を削るほどの愛情がある。それを考えたら、これ以上は望めない」と仰っていました。
これだけの慈愛を持ち、アクションを起こされているのに自分は何も知らなかった。

馬に対して情熱を持った方がいるのに、知らずに支援すら出来ないのはやはり複雑です。
なので、数々の取り組みを知る事が出来たのは、本当に大きいと思います。

自分もこれから、積極的に引退馬支援を行っている牧場や団体を調べてみます。
支援を考えるきっかけを与えてくださり、本当にありがとうございました。

自分に出来ること

馬を多く救うためには、やはり莫大な費用が必要です。
「可哀想」という感情だけではどうにもならない問題でもあります。

でも、競馬ファンが引退馬の実態を知るだけでも、大きな意義があると思います。

この映画の監督である平林健一さんは、ホームページで次のように語っています。

必要なことは、映画を観た人がどんなに些細なことでもいいから、アクションを起こすことだと考えます。それらが積み重なっていくことで、世の中に新しい風が吹き、引退馬支援のムーヴメントとなるのではないかと思うからです。

引用元:今日もどこかで馬は生まれる公式HP | つくるの先へ

引退馬の実態を知った人が何でもいいからアクションを起こす。
すると、実態の認知度はどんどん広がってゆく。

その中で、引退馬に支援したいという人が出てくるかもしれない。
もしかしたら、自分でプロジェクトを立ち上げるかも。

そんなムーブが積み重なれば、もっと大きなところ……JRAも動くかもしれません(もちろん、現在JRAが何も支援していないということはありません)。

まず初めに、僕はこの記事をネットの海に放ってみようと思います。
それが、自分にできる第一歩だと思いました。

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